「アラカワ・アフリカ5」レポート  ~アラカワでワタナベがピグミーに出会った~

先にお知らせなのですが、先日行われたアラカワアフリカで、西尾さんがインタビューを受けていました。
アートコーディネーターの菊池由紀子さんによる、その時の記事が公開されましたので、ご覧ください。
http://www.yukikokikuchi.com/interview/03-2/

言葉を身につけることと服を着ること、慣習的なことだけれど、切り開き、並べ替え、つなぎ合わせて、そこから抜け出し、新たな事につながっていく。
西尾さんのお考えと、これから挑戦される事がとても楽しみになる素敵な記事です。
これからも西尾さんに注目していきます。


では、私のアラカワアフリカレポートです。

8月23日小雨降る中「アラカワ・アフリカ5」に行ってきました。
http://arakawaafrica.wix.com/home

西尾さんが学生時代に住んでいた町、そこにできたギャラリー「OGU MAG」の出会いから、「アラカワ・アフリカ」は生まれました。

当時すでにナイロビでの活動をしていた西尾さんが、通りがかりのOGUMAGで齊藤英子さんと出会い、アフリカと、荒川区のもつアフリカ的な部分をリンクさせて、両地域のつながりを深めて地域力を高め合おうと2010年よりはじめたアートプロジェクトです。

今年のプログラムの中で、私はアフリカンダンスに興味があり、参加したかったのですが、時間の都合で参加できず、もう一つ興味のあった音楽人類学者の矢野原佑史さんの「カメルーンのヒップホップ・カルチャー」のレクチャーを受けました。

興味を持った経緯ですが、私にはザンビアの山村で、母子の安全な出産のためのマタニティハウスを作っている建築家の友人がいます。

彼女がマタニティハウスの作り方を現地の人にレクチャーしたときに、彼らは図面ではなく、即興で覚えるための歌と踊りを作り、みんなで歌い踊り、その場にいない方にもその歌で作り方を伝えていったそうです。

アフリカの人の音楽に対する素晴らしい感覚、素晴らしいリズム感は、前からすごいと思っていたけれど、文字や図面が読めないということもあるのでしょうが、歌や踊りが、感情の表現だけでなく、生活に欠かせないものなのだとわかり、改めて驚き、感動したからです。

矢野原さんからはじめに語られたのは、カメルーンのピグミー(バカ族)のリズム感の話です。

とても独特で複雑なリズムを持っているのですが、本当に1歳2歳の小さな時から手拍子をさせると、わざと隣の子とずらしたり違うリズムをとるのです。
誰かが歌いだすと、それに合わせて、みんながそれぞれ別のパートを即興で歌いだし、壮大な合唱になっていくのです。

複雑なリズム感が遺伝子レベルで組み込まれているのでしょうか?
人の声ではないようなすごい歌声は、歌ではなく、森の聖霊との交信なのだそう。
面白い!家に帰ってさっそくいろいろ検索して聞きました。

カメルーンのヒップホップシーンの話はフランコフォンとアングロフォンの対立や、それぞれの社会的な境遇と歌詞の内容、彼らの中でダサいとされていた民族音楽や、アフリカの楽器などを取り入れ出して、海外から評価されていったりと、興味深い内容でしたが、時間が足りず、あまり曲を聴いたりできませんでした。ちょっと残念。
矢野原さんがおすすめを教えてくださるとのことで、連絡を取ってみます。

今回のレクチャーで、ピグミーのことを知ったことが私にとってはすごい収穫です。
アフリカ広いし、まだまだ面白いことがたくさん詰まってそうです。
今まで、アフリカとあまり接点のなかった私にとって、新たな興味の対象ができ、アフリカとの出会いのよい機会になりました。

そのあと、キャンプみたいなテントの中でビデオサファリを少し見せていただき、西尾さんとお子様たちとシャボン玉をして、ほんの半日だけの私のアフリカントリップは終了しました。