作家 岡谷祥平
日時 2014年10月31日(金) 16時から23時
場所 渋谷センター街
2014年10月31日の渋谷センター街はハロウィンの仮装をした沢山の若者で埋め尽くされていました。その雑踏に紛れてチーム西尾のアトリエリーダー、岡谷祥平さんが「煙草の仮装」ゲリラパフォーマンスを行いました。
びっしりと敷き詰められた大量の吸殻は岡谷さんが2ヶ月かけて街中で集めたもの。ズボンには様々な銘柄のタバコの箱の断片が付けられています。
街と一体化してるポイ捨てタバコを、街から切り離すという試み。非現実的な仮装が多い中、リアルな現実を出現させる事で渋谷の街中に違和感を生んでいました。
「お兄さん、頑張って作ったね!」
「怖い…。」
「死んでる?」
道行く人々も岡谷さんの仮装が明らかに違う、ということを様々に感じ取っていたように思います。
31日、渋谷センター街で作品を目撃したメンバーはどのように作品を見ていたのでしょう?
― どんな物でも(タバコの吸殻)着てしまうことが出来るんですね。ハロウィンでお祭り騒ぎの渋谷の街中、吸殻男が寂しげに見えたのは溜息混じりの煙と共に投げ捨てられた吸殻に込められた人々の思いが伝わって来たのかも。
志村恵子
― ニュースになるほどコスプレした人でごった返した渋谷 センター街。そこからほんの少し入った脇道でうつむき気味に立つ吸い殻男。パッと見、ずいぶんと地味だけど、行きかう人々が素通りできず、足を止めるほど。撮られたり、囲まれたり、覗き込まれたり。派手な衣装に身を包んだ人にも負けない存在感でした。
牧野恵子
― 煙草についての岡谷さんが言いたいメッセージや誰しもが日頃考えていたりされているであろう想いが、上手に記号かされまとまりのいいコンセプトがしっかり落し込めている完成度のある強い作品でした。
いろいろな立ち位置の人が多角的な見方が出来る肯定的にも否定的にも捉えられる作品でとっても楽しかったです。今後のこの作品の展開と他者クリエイタ−とのアレンジと、新しい作品制作など全てきっと進み易くなったのではないかなって傍目からも分かるような制作を見せて頂けとても楽しかったです。
今後も応援しています!
剣持寛子
― 奇抜な仮装も、10月31日の渋谷では普通。
奇抜なもの、ユニークなものを見つけては、写真を取ることも普通の風景になっている。
当然、「煙草の仮装」も次から次へ、レンズを向けられ続ける。
でも、少し違うのは、そっと触っていく人が多かったこと。
通りすがり、話しながら、多くの人がなでるように触っていく。
その姿を見た時に、ただの仮装に陥ってもおかしくない世界のなかで、強い意志をもった作品としての強さを感じました。
西尾さんのアシスタントをする事で岡谷さんの人生は絶対変わると断言した日比野さんの言葉を思い出していました。
チーム西尾で会う前の岡谷さんを知らないけれど、何故か「本当に人生変わったんだな」って、夜も更け、ほんの少し人気も引いた渋谷を、岡谷さんの後ろを歩きながら思っておりました。
そんな現場を目撃出来て、良かったです。
渋谷明子
― 普段見過ごしている道端の吸い殻が岡谷さんに向かって一挙に密集したようでおぞましいと感じる気持ち。それと同時に、近くで見てみると本当に一つひとつ吸い殻が接着されているものだから、いつも丁寧に作業していた六本木での岡谷さんのイメージをこの作品を制作する様子に替えて想像してみました。(今回はさぞかしニコチン臭かっただろう。)だから、この作品を作ってここにいるのは岡谷さんだな、と感じました。
知っている人の作品を見るのはドキドキするものですね。
川村彩乃
― Facebookを頼って、町中が仮装パーティーの渋谷をさまよい、やっと見つけた岡谷さんは、他の仮装とは明らかに一線を画していた。
さながら捨てられたタバコのようにじっとうなだれて道端に転がっている「煙草」のまわりには遠巻きに人だかりができていた。
吸殻が捨てられている日常の風景は、岡谷さんのアートで、ものすごく違和感のある風景に書き換えられ、見ている人の胸に罪悪感や嫌悪感をもたらしていた。素晴らしい存在感だった。吸殻と言う醜悪なものが、岡谷さんの手で細やかに並べられて美しかった事も印象的だった。
渡辺光子
― ハロウィンのメークした女の子や浮かれた人たちの中に無機質な違和感満載の煙草男が道端に座ってる。街にポイ捨てされた煙草の吸いがらを逆に浮き上がらせたアート作品!道行く人の目を引いてました。目のつけどころとハロウィンに登場させたところがインパクトあったと思います。吸いがらの貼り付けも完璧でした(^-^)すご〜い
岩崎美保
<岡谷さんの振り返り>
『煙草の仮装を着た時、ズッシリと重みを感じた。衣服を着るのとは別の重みを感じ、何とも言えぬ違和感を感じた。
あまり心地よいものではなく、実際早く脱ぎたかった。
何だろう、この重みは。
煙草を捨てる時って人はどんな感情なのだろうか。罪悪感を感じるがポイっと、無意識にポイっと、その時の気分でポイっと?いやバシッと?、、、。
煙草の重さもあるが、捨てた人の感情も重みに含まれてるように感じて、煙草の仮装を着るだけで、そんな重みを感じるのに、地球はどれだけの重みを感じてるのだろうか。
ゲリラパフォーマンスをした自分も考えさせられた作品になりました。』
岡谷さんの活動はまだ始まったばかり。私たちはずっと見守り、応援していきます。「カラダひとつプロジェクト」でひとつになったチーム西尾は今後も互いに影響し合って前に進むのですから。
ファイト一発~!!!
川村彩乃