白井さんの音楽への関わり方を、IT関係の仕事をしている剣持寛子さんがインタビューし、映画の専門チャンネルで働いている渋谷明子さんが文章にまとめてくれました。
ものごとに真剣に取りくんでいる仲間を尊重する気持ちが、六本木のアトリエの雰囲気を思い出させます。三人のコラボによる記事をどうぞお読みください。
白井さんへの花束 |
フラットフィルハーモニー 第2回演奏会
2014年7月12日(土)13時30分開場 14時開演
第一生命ホール
◇演目
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番
R.シュトラウス:ブルレスケ
ブラームス:交響曲第2番
アンコール
エルガー ニムロッド ~エニグマ変奏曲より
最寄り駅の勝ちどき駅から、肌がチリチリするような暑い日差しを浴びながら、第一生命ホールのある晴海トリトンスクエアに向かいます。朝潮運河のある下町感漂う風景の中で、トリトンスクエアの3つのオフィスタワーの存在感は圧倒的。
団員の皆さんの家族や友人でしょうか?ホールの入口には既に開場を待つ列が出来ていました。13時30分、開場されるとロビーでは団員の皆さんによるミニコンサートが始まりました。音楽で迎え入れる、粋なはからいです。
親しい人々を客席に、和やかな雰囲気で演奏会は始まりました。演目ごとに迫力を増してゆく演奏からは、皆さんがオーケストラで音を奏でられることを心から楽しんでいることが伝わってきました。さて、仕事を持ちながら、好きな音楽を続ける。結構、大変です。
そこで、楽団の運営にも関わっている白井さんに色々と質問を投げかけてみました。
☆☆☆☆☆☆
Q.白井さんの楽団での役割は?
A.ビオラ、またはバイオリン弾き。運営ではインスペクターという役割です。これは、運営全般の取りまとめと指揮、団員の連絡などを行う、運営リーダー的な仕事です。
Q.発足2年で、オーケストラとしてはまだ若い「フラットフィルハーモニー」の目指すところは?
A.オーケストラとしては若いとはいえ、合奏経験は豊富なメンバーが多いです。「ふらっと」聴きにいけるようなオーケストラ、組織がフラットで、指揮者もソリストも1演奏者も同じように発言しあって音楽を作り上げゆくことができる、そういうオーケストラを目指しています。その中でも、クオリティの高い演奏ができたらと思っています。ただ、あくまでもアマチュア。自分たちが楽しむことが最優先で、プロを目指すような集まりではありません。
Q.練習量はどの位?
A.合奏は3ヶ月で合計8回くらい。一回4~7時間でやります。これは、アマチュアオーケストラとしては少なめの練習量です。他のオーケストラでの活動と掛け持ちしている人が多く、あまり時間を使えないのもありこのようになっています。その分、少なめの練習回数である程度の水準までもってゆけるメンバーを集めています。
私の個人練習はというと、譜読み段階では数日に一回、1時間くらい。曲に慣れてきたら減ってきます。忙しいとなかなか時間がとれなくなることもあり、移動時間や昼休みに譜面を眺めたり、で代用することもあります。
Q.練習場所は?
A.合奏はコンサートホール付帯のリハーサル室や区の施設を借りることが多いです。 個人練習は、大型でない弦楽器は自宅で練習します。
Q.(率直に)何故、ヴィオラ?花形ヴァイオリン弾けるのに!
あと、ヴィオラの特徴を教えて下さい。(そもそも、そこから判らないのです…よ)
A.ヴィオラの方が人が足りないと思ったのと、個人的に忙しかったので、以前に弾いたことがあり、個人練習する労力がバイオリンより少なくて済むということで、今回はヴィオラを選びました。ちなみに合奏は花形が必ずしも楽しい訳ではなく、下支えをメインとするパートにはその楽しさがあります!
ヴィオラとヴァイオリンの違いは…
・ 大きさが違うので、左手の弦を抑える指の間隔が違う
ヴィオラは
・ ヴァイオリンより5度低く、チェロより8度低い
・ ハ音記号というマイナーな記譜が使われる
・ 重いので肩こりの元となりやすい
Q.白井さんのクラシックへの情熱を聞かせて下さい
A.子供の頃からバイオリンを習っていたから、その流れでクラシック音楽をやってきましたが、情熱はほぼありませんでした。高校の終わりに素人が芸をするラジオ番組に出演して、それをきっかけにやめてもいいかなと思っていました。でも、なんだかんだで大学でオーケストラ部に入って弾いてみたところ、合奏の楽しさに気付きました。
たくさんの人が集まってひとつのことをやるのは楽しいし、音があった時の演奏は鳥肌ものです。長い曲の中に一箇所くらい、ぞくぞくする音がでるポイントがあって、その短い時間のために長く大変な準備をする価値があると感じます。
オーケストラをやる魅力が伝わってきた気がします!
Q.オーケストラに参加して、喜びを感じる瞬間は?
A.練習しながら、皆で意見を出し合っている時。そうして音が変わってゆく時。なにより、ホールで皆で1つの音楽を奏でている時。気持ちがまとまっていると感じる時です。
わかる!一体感って良いですよね。
Q.“一体感”への想いをもう少し詳しく聞かせてください。
A.性格も価値観も違なり、仲もよくなかったりする人達が音作りという1つの目的に向かって団結することに心を打たれます。
言葉にしにくいですが、団体スポーツやアートの共同制作を魂込めてやった人はそれが何か多分わかると思います。
そうですよね、チーム西尾@アートナイトの皆さんと
アトリエやアートナイトの本番で一緒に過ごしている時に感じていました。
声高に「団結しようぜ」とはちょっと違う、何となく同じ事に共感出来ている気がするから、
一緒に何かを作りたい、やり遂げ合いっていう気分だったんですよね。
ところで、アートナイトのチーム西尾に参加して、
異なるジャンルで活動をしている人との交流もあったと思うのですが、
それをさらに拡大して行って…
Q.ダンサーやDJなど、異ジャンルのクリエイターとのコラボレーションはしないんですか?
A.興味はとてもありますが、魅せるだけの技術が自分にはないと思っています。
でも、好奇心旺盛なので機会がもし転がってくれば、参加したいと思うかもしれません。
えー、きっと出来ますよ!というか、観てみたい…な。
白井さん、沢山の質問に答えて頂いて、有り難うございました!!
☆☆☆☆☆☆
偶然にも、「追え!チーム西尾@アートナイトのその後」の第一弾となった白井さんの「フラットフィルハーモニー」演奏会。演奏に夢中になってネクタイの曲がる、熱を帯びた白井さんも見れたし、
クラシックの演奏が躯と密に繋がっていることがわかったり、と沢山の収穫がありました。
「やるべき事をいつものように…」っていう感じは白井さんのイメージとぴったりですが、「1つの目的に向かって団結することに心うたれる」という答えからは、白井さんがチーム西尾@アートナイトに参加していた理由も判る気がしました!
さぁ、次は誰だ?
チーム西尾
剣持寛子 アンケート
渋谷明子 アンケート
白井俊明 アンケート